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11月に入り、企業の総務・経理担当者が忙しくなるのが年末調整。
提出漏れや扶養判定の誤りがあると処理が止まり、毎年同じトラブルが繰り返されます。
令和7年分からは“103万円の壁”が実質123万円へ引き上げされるなど、扶養判定に影響する改正も入っています。
今回は、特に質問の多い「年末調整でよくある3つのミス」を最新の税制に合わせてまとめました。
① 扶養控除申告書の“生計同一”の勘違い
扶養にできるかの判断ポイントは“生活費を継続的に負担しているか”。
・毎月の仕送りがあるか
・主として生活費を負担しているか
一時的な援助では扶養にできず、生計同一要件を丁寧に確認する必要があります。
② 扶養親族の“副業収入”での判定間違い(令和7年改正対応)
今年(令和7年)から扶養判定に関する所得要件が変更されています。
【令和7年からの所得要件】
扶養親族の所得要件:合計所得金額 58万円以下(旧:48万円以下)
給与収入だけの場合:給与収入 約123万円以下が目安
(給与所得控除55万円 → 所得58万円以下になるライン)
【よくある誤解】
・「給与収入103万円超えたら扶養外」は令和7年からは123万円が新目安
・「130万円未満なら税法上も扶養OK」は社会保険の基準で税法とは別
・副業(雑所得・報酬)があると58万円を超えることがあるため扶養から外れる可能性あり
【特にトラブルが多いパターン】
・大学生が「バイト+副業」して収入が想定以上
・パート配偶者が副業で雑所得発生
・副業先の源泉徴収票が遅れ、1月に扶養外と判明
【対策】
・扶養親族へ「今年、副業していますか?」を必ず確認
・給与だけでなく雑所得・事業所得の有無を確認
・合計所得金額が58万円を超えないかをチェック
③ 住宅ローン控除の“初年度は年末調整できない”問題
住宅ローン控除は初年度のみ確定申告が必要。
令和7年もこのルールに変更はありません。
【必要書類】
・年末残高証明書
・住民票(転居時)
・登記事項証明書
・住宅借入金特別控除申告書
対象者へは早めの案内が有効です。
まとめ
令和7年から扶養判定の所得要件が変わり、“103万円 → 123万円”のラインへ実質引き上げが行われたため、今年の年末調整は例年以上にミスが起きやすくなります。
・扶養判定(特に副業の有無)
・所得要件:合計所得58万円以下
・給与収入目安:123万円以下
・住宅ローン控除初年度は確定申告
これらを押さえることで、年末調整のトラブルを大幅に減らせます。
岡崎オフィス






